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複雑性PTSD、トラウマ療法について

SEセッションの記録が途中なのですが、

sakimika.hateblo.jp

ソマティック・エクスペリエンス(ソマティック・エクスペリエンシング)やトラウマ療法についての本を読んだので、ちょっとそれについて。

2019年の本。杉山登志郎氏が中心となってまとめたもののようです。さまざまなトラウマ療法について、各療法の専門家がその概要について論文を寄せています。ムックかと思って気軽に手にとったら、専門家が読むものでしたね。なので前提知識なしで読むと、この言葉の意味は何かしら?とたびたび思います。

「発達性トラウマ障害」ということばはこの本で初めて見たと思うのですが、一時的なトラウマ(戦争帰還兵とか)ではなく、発達の過程で(おもに小児期)継続的にトラウマにさらされたとき(虐待を受けて育ったなど)に生じる症状のことを指しているものと思います。複雑性PTSDとまったく同じものを指すのかしら。そこらへんはふんわりした理解で読みました。

(さる方が、大人になってから数年間の多大なストレスにさらされた結果、複雑性PTSDと診断された、という報道がありましたが、それって「複雑性」なんだろうか?PTSDではあると思いますが。)

Amazonのページにも載っていますが、目次はこちら。

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「トラウマ処理総論」で各トラウマ療法について簡単にまとめられていました。

こんな感じ。

・トラウマ処理には大きく二つの系列がある。トップダウンとボトムダウンである。

トップダウンの治療法は主に認知行動療法による遷延暴露法である。これはPTSDの治療を中心としたもので、複雑性PTSDはあまり対象にしてこなかったが、「STAIR/NT」や「スキーマ療法」が出てきている。

・しかしこれらの方法は、準備に時間がかかるため、多くの患者に対応できない。

ボトムアップ方式のトラウマ処理法は、以下のものがある。

EMDR」眼球運動を行うことにより、トラウマを処理する。科学的な検証も十分に行われている。

「ブレインスポッティング」EMDRの派生。

ホログラフィートーク」広義での臨床催眠に属する治療法。

「自我状態療法」こちらも催眠療法だが、多重人格のための精神療法。

「ソマティック・エクスペリエンシング」ボトムアップの集大成のような治療技法。ただし習得に時間がかかる。

「ボディー・コネクト・セラピー」ブレインスポッティングとTFTを合わせたもの。(と言ったら失礼か、と杉山登志郎氏は書いている。)

「思考場療法(TFT)」症状に応じていくつかのツボを続けて指で叩くことにより治療する。

「ヨーガ」精神療法援助技法として発展してきている。

ボトムアップ方式も有効であるが、治療の習得に時間がかかるもの多く、患者の対応がしきれない。そこで杉山登志郎氏は「チャンスEMDR」という方法を開発した。

という感じです。チャンスEMDRの詳細は、この論文にも書いてありますが、こちらの本にも詳しいです。

トラウマを抱えた人はフラッシュバックするかもしれないので、あまりこういう本はおすすめしませんが……(読んで具合悪くなった人)

これも2019年の本ですが、ムックより前に出てますね。強い発達障害のような症状を示す子どもは不適切な養育環境にある場合が多く、その親もまた似たような環境で育ってきており、双方ともに治療を進めていくのが吉、ということが書かれています。ちなみに父親はほとんど治療に参加してくれないとか。

閑話休題

で、ざっと各療法の論文をざっと読みましたが、集大成と言われているんだから、受ける側だったらSEでよいのでは、という感想です。

上記で各療法をまとめた際には省きましたが、SEについても杉山氏にわかりやすくまとめられていました。

「まずトラウマに退行できる自らの資源を増強する。その上で、トラウマに関連する身体感覚に焦点をあて、自らの資源とトラウマによる身体感覚を行き来しながら、対応が困難な枠を超えない範囲で、ごくわずかずつ、トラウマとの交渉を行って行く。」

ん、なるほど、わたしが今まで(現時点で8回)受けてたのは、こういうことをしていたのか。納得。

提供側からすると、習得に時間がかかるということが難点らしいですね。こちら側はそのあたりは関係ないのですが、料金に転嫁されて受けづらくなる、ということはあるかもしれません。保険とか効かないし。しかもそもそもSEは、対人援助の技法をすでに習得しているというのが前提の技法ですので、SEを提供されている方は高度な技法を提供しているということになるのだと思います。

ただ、本当に少しずつ進んでいくものなので、そこはお財布と相談の余地はありそうです。わたしは月1回、50分で受けています。

もう少し詳しいSEの話は、上記論文を引いてまた書こうかなと思います。

 

まずは自分で何か対処をしたいのなら、こちらの本が参考になるかも。

過酷な小児期を過ごした人は、大人になってからも身体的・精神的な病気になりやすい、ということについて書かれた本です。

じゃあそういう人はどうすればいいの?っていうことも、少し書いてあります。2018年の本。

もしかしたらこっちに多く書いてあるかな。読んでませんが。

どちらの本もフラバするかもしれないので、どうぞお気をつけて……。

最初の本は読んでるので、別記事で少し引きますね。
→書きました。

sakimika.hateblo.jp

 

あと個人的には、マインドフルネスヨガ、というものを一時期やってみていたことがあって、それはいいんじゃないのかなぁと思いました。

週一でオンライン(顔出しなし)で受けていたのですが、やりながら泣いてしまって、10分くらいで力尽きる、なんて週もありました。

こちらでやってました。

olulu-online.jpなつみ先生が、マインドフルネスヨガを担当しています。おすすめ。

なつみ先生のYouTubeチャンネルはこちら。

www.youtube.com

実際のSEセッションの記録までなかなかたどりつかない。